親の介護で頑張ったのだから、相続財産を多めにもらいたい!

相続

こんな相談がよくあります。

『私は結婚もあきらめて親と同居し、最期までお世話をしました。だから、遺産は他の相続人より多くもらって当然ですよね?』

私も、それは一理あると思います。

けれども、相続人がたくさんいれば、思ったように相続財産を受け取れない現実もあります。

対策法は?

じゃあ、
どうしたらいいの?

行政書士

介護したぶんの頑張りを
形にする方法を考えて
みますね!

介護で頑張ったぶんを形にしたい。

その方法を、以下にいくつか挙げてみます。

今回は、相続人である人についてを想定した説明ですので、

相続人でない人、たとえば『被相続人の子の配偶者』(息子のお嫁さんなど)は、当てはまりません。

①寄与分をもらう

寄与分とは、

亡くなった方の財産の維持や増加に貢献した相続人は、他の相続人よりも相続財産を多く分けてもらうことができる

というような制度です。

こういう制度はあるのですが、結局は、寄与分の金額は、相続人同士での話し合いで決めます

折り合いがつかなければ、調停や審判で決めることになりますが、

実際は寄与分が認められることは少なく、

もし認められたとしても、思っていたよりも少額になることがほとんどです。

なんにせよ、他の相続人への説得材料のために、

  • 『○月○日、病院に連れて行った。診察料○円、交通費○円』 
  • 『○月○日、自宅の掃除○時間』

など、記録をつけておくのがおすすめです。

行政書士

私なら、レシートも
貼っておきます!

②他の相続人に理解してもらう

他の相続人全員に、思うように理解してもらうのは無理かもしれませんね。

でも、全員は無理でも、1人か2人、仲のいい兄弟(姉妹)に同調してもらうことはできませんか?

1人味方がいるだけでも、説得力が違ってくると思います。

その際にも、介護記録があると、説明がしやすいかと思います。

③遺言書に書いてもらう

『介護をしたことを考慮した遺言書を書いてもらう』というのも、1つの手です。

ただし、他の相続人の遺留分を侵害しないこと。

また、その遺言書の内容に、他の相続人が納得してくれるかはわかりません。

そのため、やはり①のような記録をつけておくことをおすすめします。

④生前贈与をしてもらう

相続が始まる前に、もらっておくという方法もあります。

1年につき110万円以内の範囲ならば、贈与税もかかりません

ただし、相続が始まる3年以内の贈与は、相続財産に含まれます。

⑤生命保険の受取人にしてもらう

最後は、親御さんが生命保険に入り、その受取人にしてもらう方法です。

この方法は、節税にもなりますし(相続税の対象にならないので)、保険金は相続財産としてカウントされないので、良い方法のように思います。

ただし、相続税の対象にならない金額の範囲には上限がありますので、注意が必要です。

まとめ

以上、介護した分の頑張りを形にする方法を考えてみました。

細かな注意点や、適用されないケースなど、割愛している部分がありますので、ご注意ください。

また、どの方法を使うにしても、介護記録をつけておくことは、とても大事だと思います。

言葉で言ってもわからないけど、文章を目の当たりにしたら『なるほど』と思うことはありますよね。

わからないことや、ご質問はこちらまで。