経営事項審査の『X評点』とは?わかりやすく解説!

経営事項審査

まず『経営事項審査』とは?

事業を大きくしていくために、『公共工事を請負いたい!』という建設業者さんは多いかと思います。

公共工事は、競争入札という方法で工事を請負ってもらう建設業者さんを選びますが、

この競争入札に参加するためには、『経営事項審査』、いわゆる『経審』という審査を受けていなければなりません。

建設業法では、経営事項審査(経審)をこう説明しています。

公共性のある施設又は工作物に関する建設工事で政令で定めるものを発注者から直接請負おうとする建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その経営に関する客観的事項について審査を受けなければならない。

建設業法第27条の23

このように、経営事項審査は、国や地方公共団体などが発注する公共工事直接請負おうとする場合には、

必ず受けなければならない審査とされています。

ちなみに『直接請負う』、つまり元請として受注する工事についてのお話なので、

下請として公共工事に参加するのであれば、受ける必要はありません

経営事項審査では、建設業者さんのいろいろな要素を評価して、

『どのくらいの力をもっているのか?』を点数化します。

行政書士

経審はよく、
建設業者さんの
『つうしんぼ』に

例えられますよ!

▷経営事項審査とは、建設業者の『チカラ』がどのくらいあるか点数であらわすもの。

X評点とは?

では、経営事項審査では、いったい何を見るのでしょうか?

経営事項審査で見る建設業者さんの要素には、X、Y、Z、Wの種類があります。

  • X評点→経営規模
  • Y評点→経営状況
  • Z評点→技術力
  • W評点→社会性等

これらの点数を式に当てはめて計算して、総合的な数値であるPを割り出します。

この『P点』を調べるのが、経営事項審査というわけです。

XとかYとか…
もうわけわかんないです

行政書士

ほんと難しいですよね。

とりあえず今回は『X』
だけ見ていきましょう!

▷X評点は『経営規模』をあらわす。
 

X評点の中身

X評点が経営規模を表す指標であることは、説明したとおりですが、

X評点はさらに『X』評点と『X』評点に分けられます。  

行政書士

以下に『X1』と『X2』の
説明をしていきますよー!

X1とは

  • 『完成工事高評点』のこと
  • P点のうち25%を占める

建設業界での売上高は『完成工事高』をいいます。

その名のとおり、完成した工事の売上高、収益のことです。

業種ごとの『完成工事高』の平均値(2年平均または3年平均)を、既定の表に当てはめて『X1』評点を割り出します。

X2とは

  • (自己資本額点数+利益額点数)/2の計算式で割り出す
  • P点のうち15%を占める

『自己資本額』は、貸借対照表の純資産合計で、2年平均するかしないか選べます。

『利益額』は、利払前税引前償却前利益の2期平均値をもとにします。

そして、『自己資本額』と『利益額』をそれぞれ既定の表に当てはめて、『X2』評点を割り出します。

『P点』とは、経営事項審査で出た建設業者さんの『チカラ』の総合値でしたね。

なんと『X』の値は、そのP点のうちの40%も占めているのです。

となると、『経営事項審査の点数をあげるために、X点を何とかしたいよ!』と考える建設業者さんもいらっしゃると思いますが、

X評点は『経営規模』についての指標ですので、なかなか簡単に点数アップとはいかないのかなと思います。

でも、頑張れば改善できる部分もあります。

X評点の点数アップ策については、いずれ記事にしたいと思います!